住む人全員の意見を聞こう
マイホームは家族全員の快適空間
多くのご家庭で注文住宅を購入するとなると、ご主人もしくは奥様主導で諸々が進められてしまう傾向がみられます。小さな子供や高齢の家族は、一応意見を述べる機会こそ与えられるも、結局はリーダー格となるご夫婦の独断が、その家族の最終的な意向となる展開です。
確かに家族全員の意見を十分尊重し、平均的なプランを構築する作業は、とても容易ではないどころか、実際には不可能に近いでしょう。家族間の意見調整段階で時間ばかりが経過すれば、依頼先のビルダーにも迷惑がかかり、注文住宅着工は先送りされるばかりです。
だからと主導権を握らない家族の意見を、便宜上一応聞くだけ、あるいは参考程度に流してしまう進め方には、いくつものデメリットが見過ごせません。その理由はズバリ「個人個人の目線も価値観も違う」という一点に集約されています。

憶測で家族を思いやったアイデアが裏目となるケースも
たとえば小さい我が子が喜ぶだろうと、今流行のアニメキャラを壁に配した内装を、両親が計画していたとしましょう。この時点で両親は、時の流れと我が子の成長に伴う嗜好の変化、さらには将来リフォームがひつようとなる可能性などを、いずれも見落としています。ここで子どもから「そんな子どもっぽいのはイヤだ!」と一言反論があれば、この事実に気づくことができるかも知れません。
注文住宅のアイデアを煮詰める作業に際しては、確かに全員を引っ張るリーダー格の存在が不可欠です。ですがここでの発言、すなわち家族全員の意見の「重さ」は、すべて平等でなければなりません。
たとえば複数のざっくりとしたプランを用意してみてはどうでしょうか。パパの意見、ママの意見、長男の意見、妹の意見、それぞれが色濃く反映された意見を並べ、そこから専門家の助言や提案を取り入れて擦り合わせることで、バランスの良い注文住宅に近づける手法も一案です。